えぬのざっかん

アラサーレズビアンの雑感/週末に更新する日記みたいなもの

にじゅうななこめ

 今週も今週とて、割とのんびりと過ぎていった。今度こそ週末に何も予定がない。何を書こうかなとしばらく考えて、友だちのことでも書こうかなと決めた。

 友だち、と書くけれど、複数人ではない。友人、とするのが適切なのだろうけれど、どうにも堅苦しくてピンとこないから、便宜上。

 

 その友だちとは、もう10年近い付き合いになる。友だちは男性で、私よりひとまわり年上だ。私が彼を知ったのは、10年以上も前にあった投稿型のホームページで、彼が描いたイラストや漫画を閲覧者として一方的に眺めていた。その頃は全く関わり合いがなく、数年後、動画サイトで見覚えのある絵柄だなあと名前を調べたところにより、あの人か! となったのだった。

 その頃には私もものをつくる側となっていて、何とはなしに「昔、どこどこのサイトで絵や漫画を描いてましたよね」とメッセージを送ったのがやり取りの最初だったような気がする。その頃にはもうTwitterがあったので、やり取りをし始めるハードルはかなり下がっていたように思う。

 やり取りを始めた頃は、それこそ雲上人のように彼を上へ上へと扱っていたのだけれど、仲良くなっていくうちにそういった扱いをされるのは落ち着かないと聞いて、それからは普通の友だちとして何気ない雑談をするようになっていった。

 

 Skypeで何時間も喋ったり、プロレスの動画を同時再生して解説を受けたり、彼から影響を受けて好きになったものはたくさんある。私の性に合わないものが少なかったのも、彼と長くやってこられた一因だろう。

 そのうち、コミケで売り子をすることになって、初めて会ったときも、ああ、気楽だなあと感じたのは何となく覚えている。男女間の面倒な気遣いは何もなかったし、むしろそういったことを懸念してぎょっとした私に驚いていたときもあった。

 

 なんの気負いなくやり取りできる。これが気の置けない間柄なんだな、と知ってからもう何年も経った。彼の誘いでアパートの隣の部屋に越してみたこともあった。ルームシェアじゃないのがよかったのだと思う。とても気楽で楽しくて、お互いにある程度気にかけながらの生活は快適だった。

 私の体調がダメになってしまって、2年も経たずにお隣さんではなくなったけれど、その後も相変わらずのやり取りは続いている。

 また関東に住みたいなあ、と世迷い言を言いながら、お互いそれぞれの場所で生きている。