えぬのざっかん

アラサーレズビアンの雑感/週末に更新する日記みたいなもの

にじゅうろっこめ

 今週も平日はつつがなく過ぎ、週末なにも予定がないなあと思っていたところ、妹から指摘が入った。日曜日は従姉とバーベキューの約束がある、と言われて、あっと思い出した。以前バーベキューをした時に、今度は少し離れたところに住んでいる従姉の方で、バーベキューをする予定があるからどうか、と誘われていたのだった。

 うっかり予定をすっぽかすところだった。危ういながらも思い出したので、予定の確認を取って、当日と相成った。

 

 暖かくて行楽日和の日曜日だった。妹と二人電車に揺られて、バーベキュー開催予定地の最寄りの駅まで向かった。LINEでいつ頃着く、と連絡は入れていたものの、既読は付かない。しかたなく、川沿いでやるという前情報だけを参考に下流側へと歩いて行った。

 一旦連絡が来るまで待とうと、東屋で休憩していると連絡がきた。大分下った辺りでやるとのこと。川沿いの遊歩道を歩いていれば付くと言われたので、言われたとおりにひたすら歩いて行った。潮の匂いがし始めて、遊歩道は終わりを告げた。迷子になった、と思った。

 従姉にもう一度連絡を取ろうとしたけれど、通話にも出ない。しょうがない、川の反対側を戻ってみようかと上流へ向かうと、従姉らしき後ろ姿が川沿いに見えた。さっきはいなかったのに、と思ったけれど、今いるのならまあいいかと、少し遅れてバーベキューに参戦した。

 

 バーベキューのメンツは、従姉と従姉の友人、知人、そして私と妹の女6人だった。年上のお姉さん達とわいのわいの騒ぎながら火をおこし、肉を焼き、野菜を焼いた。

 初対面のお姉さん達ともすぐに打ち解けたのは、彼女らが私たち姉妹よりもずいぶんと年上だったからだろうな、と思う。酸いも甘いもかみ分けた年上の大人達は、懐がとても広い。お酒が入っていて陽気になっているというのもあるだろうけれど、すんなりと馴染んで自己紹介や雑談などにも花が咲いた。

 私以外のメンツは皆酒を飲んでいた。私はずいぶんと弱いので、飲まずに運転手を買って出ていた。帰る頃に荷物を車に積んで運転するだけかと思っていたら、近所のトイレを借りられる場所までの運転もすることになった。日がかげり始めたら冷え込むのも早く、出動回数は結構多かった。車中での雑談もまた楽しく、また親睦を深める良いきっかけになった。

 

 夕方、日が落ち始めた頃に片付けをして、従姉の家まで車を運転した。知人のお姉さん達をそれぞれ駅や家に送り届けて、その帰り道に従姉と二人でいろんな話をした。私の体がダメになったこと、前の仕事を辞めたこと。従姉は私のことをなにも否定しなかった。それがとてもありがたくて、嬉しかった。このままで良いとは思わないけれど、少なくともダメではないのだと、心が軽くなった。

 何年も前のことを、未だにはっきりと思い出せるということは、私がそれほど引きずっているということで、未だに吹っ切れていないということだ。吹っ切れる気などそもそも全くしないので、なるべくなら思い出さないように重しを上からどんどん積み重ねていくのが良いのだろうと、最近は思うようになってきた。

 

 何度反芻しても辛くならない、楽しくて幸せな思い出をたくさん作るために、まずはいろんな人と話をしようと、人と会う予定を少しずつ入れ始めている。