えぬのざっかん

アラサーレズビアンの雑感/週末に更新する日記みたいなもの

ひゃくはちじゅっこめ

 今日は何年かぶりに同級生と会う日だった。

 予定自体は三ヵ月ほど前から立てていたのだけれど天気だの急な変更などで延びに延び、今日になった。予定が延びること自体は残念だなあというぐらいの感想しかなく、今度こそずれ込むことなく天気にも恵まれ、朝いつもより早起きした私はウキウキと朝ご飯を食べ家事を済ませ、身繕いをして家を出た。

 

 自転車を漕ぐとまだ肌寒かった。日差しはポカポカとしているから、きっと歩き回るには最適な一日だなと思いながら、スマホから流れてくる銀の龍の背に乗ってをフンフンと歌う。歩道を歩いている人の隣をすれ違えば、気分よく歌っているのがバレているだろう。

 二十分も漕げば待ち合わせの駅である。自転車を駐めて、もうすぐ着くと同級生に連絡を入れた。

 

 同級生――友達は、高校の頃に知り合ったので、それからもう十五年以上も経っているということになる。元々は私の双子の妹の友達だったのだが、私も仲良くしてもらっていた。

 専攻が違うので授業で会うことはなかったものの、妹から話を聞くにまあ愉快な子だなという印象が強く、いまだにそのイメージがある。

 駅の改札方面へと向かうと、友達の方から声を掛けてくれて、ようやっと合流と相成った。

 

 友達の案内に従って歩きながら、近況をぼちぼちと話す。近況どころか、ほぼ高校以降からの話になるのは止むなし。連れていってもらったのは、街中に急に森が現れたような、少し薄暗さすら感じるカフェだった。

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 布がかけられたガラス張りのサンルームのようなところに席を取る。天気がよいおかげか空調のおかげか、心地よい室温の中ソファへと腰を下ろした。

 お互いにそんなにお腹が空いていないということで、メニューをシェアすることに決め、注文をする。そうしたらそこからはひたすらお喋りタイムだった。

 

 高校の頃の話から、本当の近況まで、頼んだ飲み物を飲みながら、やってきたサンドウィッチやチーズの盛り合わせを食べながら、ひたすら喋っていた。想定内ではあるけれど、話しても話しても話題が尽きないのは愉快だった。

 お店に入って一時間もすると、外には行列ができていた。ちょうど昼時な上に人気の店なのだろう。もともとそう長居はできないだろうと話していたから、近くのビルへと場所を移すことにした。

 

 そこからは雑貨屋を見たり服屋を見たり、本屋を見たり、休憩と称して喫茶店に入り、また移動して雑貨屋を見たりしながら、ひたすらに喋っていた。本当に話が尽きないとはこのことである。一日ずっと愉快でことあるごとに笑っていた気がする。

 ビルの中は人が多く、友達が人酔いしてしまったとのことで適当なところで切り上げてビルの外のベンチに腰掛けて、そこからもまた喋っていた。ひんやりしだした風と暮れ始めた空を見て、時計を確かめるとそろそろ友達が帰る頃合いの時間になっていた。

 

 また駅まで歩いて、改札でまたねと分かれる。今度は家で鍋でも食べようと誘ってあるから、その内ガスコンロを買うことや、椅子、なんならダイニングテーブルの新調を考えなければならない。楽しみな予定がまた増えた。