えぬのざっかん

アラサーレズビアンの雑感/週末に更新する日記みたいなもの

ろくじゅっこめ

 よく、関東に戻りたいな、と考える。

 人並みに働けるようになって、持て余した時間を少しずつ勉強に充てはじめたら、余計にそのことを考えるようになった。

 

 私にとって、実家は駆け込み寺ではあるけれど、息が休まる場所ではない。母の機嫌を伺って、先回りして家事をしなければならない、という強迫観念に駆られている。

 友達に声をかけられて、隣に引っ越してから2年ほどの間に、ずいぶんといろんな事があって、私は精神を病んで実家に戻った。実家に戻ってからも、働かなければ生活していくことができないから、手っ取り早くパートの仕事に就いたけれど、その仕事をしている1年ちょっとの間、ずっと体調を崩し続けていた。

 これではだめだと奮起して、今の仕事に就いてからは、噸と病院のお世話になることはない。たまに風邪をひくぐらいで、ずいぶんと健康体に戻ったと思う。

 かといって、メンタル面がずっと健康かというとそうでもなく、定期的に落ち込んでは何もかも投げ捨てたくなっていたから、肉体だけが元に戻っただけなのだろう。

 最近は、少し逃げではあるものの対処法を見つけて、少し前向きになっている。創作関係の趣味にやる気が出ないので、じゃあ、と始めた勉強は、少しずつ進んでいる。目下の目標は、資格を取ることだ。せっかくだから、なにか証明を残して、なんなら就活にも活かしたい。

 

 友達と定期的に通話していると、たまに近況報告が入ってくる。あそこの店、違う店になってるよ、とか、新しいショッピングモール建つみたい、とか、風景をありありと思い出せるからこそ、余計に戻りたいなと強く思う。

 なにより、友達とアパートの隣同士で暮らしていた頃は、とても楽しかったから、余計に。

 今度戻るときは隣同士で暮らすことは難しいだろうけれど、「ご近所さん」でもそれはとても楽しいだろうなと想像がつく。友達の作ってくれたご飯を食べたり、ダイニングテーブルで向かい合って黙ったまま作業をしたり、おすすめの映画を隣に座って見たり、はたまた一緒に映画を観に出掛けたり、前と変わらない楽しい日々が待っているだろう。

 いつになるか分からないけれど、しばらく先の楽しみができたから、これからも頑張ってやっていけそうだ。