えぬのざっかん

アラサーレズビアンの雑感/週末に更新する日記みたいなもの

ろくじゅういっこめ

 少しずつ、自分の見た目に気を遣うようになってきた。自信を付けるには見た目を整えるのがいいよというようなことを、友達数人から言われたのがきっかけだったと思う。

 

 中身もそうだが、外見のあちこちにもコンプレックスを抱えている。こんなだから恋人なんかできるわけないし、そもそも好きな人に振り向いてもらえるはずもない、とずっと諦めてきたけれど、やっぱりどうしても諦めきれなかったし、ずっと辛かった。

 少し見た目を気にすれば、色気づいたな、と言うようなことを親に茶化され、一瞬で嫌気が差していたけれど、妹からは言葉を真正面から受け取めすぎだと言われたし、そんなことも言っていられないと思うようになった。

 

 今が一番若いんだからと、祖母がよく言っていたのを思い出す。何かある毎に思い出す祖母の言葉は、私の支えだ。今が一番若い、知識は荷物にならない。戦争を乗り越えた祖母が、耳にたこができるほど繰り返した言葉たちは、間違いなく信じられると思っている。そこに、今大切だなと思っている友達たちの言葉を含めれば、苦手なことに自分から手を伸ばせる機会は今しかないと思った。

 何回目かのダイエットを始めて、しばらく経つ。もう少しすれば、大台を超えられそうだ。何年かぶりの数字を見るために、毎日食事の記録をつけている。メイクまでは手が伸ばせていないけれど、スキンケアは続けている。最近は、仕事に出る際に眉墨を描くようになった。着られればいいや、ではなく、方向性を定めて服を選ぶようになった。

 

 どれもこれも、昔の自分からは考えられないくらい、進歩していると思える。今度は、短くて不格好な爪を整えたいなと、遊び半分でネイルケアをやり始めている。遊び半分、なのが功を奏しているのか、とても楽しんで続けられている。

 何事にも遊びは必要だなあと思いながら、少しだけ縦長になりはじめた右手の小指の爪を眺めている。