えぬのざっかん

アラサーレズビアンの雑感/週末に更新する日記みたいなもの

にじゅうごこめ

 予想通り、腰痛に呻きながら仕事をした一週間だった。治るまではジムもFitBoxingも諦めて、ちょっと食べる量を減らすのだけは意識して過ごした。

 

 ところで、恋活を地味に続けている。掲示板に書き込んで返事を待ってみたり、グループチャットに参加してみたり、手応えはないもののそれなりに楽しくはある。

 少し前に知り合ったお姉さんと、顔を合わせついでに喫茶店でご飯を食べた。私の書き込みに何か引っかかるところがあったらしく、お姉さんからメッセージが届いたのがきっかけだった。結果、私の書き込みを友達募集と勘違いしていたらしいことが判明したものの、メールの文面だけでこの人と仲良くなりたい、と思っていたし、お姉さんもいい反応をしてくれたので、じゃあ仕事終わりに会いましょうとなった。

 

 待ち合わせ時間を少しすぎたぐらいに喫茶店の二階に着いたとき、お姉さんはまだ来ていなかった。残業でも急にできたのだろうかと思いながらホットミルクを飲んでいると、曰く、コボちゃんのような髪型をした女性が上がってきた。メールのアイコンで雰囲気は分かっていたから、あ、この人だとすぐに気付いた。

 逆に、お姉さんは私を探してキョロキョロとしていた。こちらを振り向いたタイミングでヒラヒラと手を振ると、安心したようにこちらへとやって来た。すらりとした細身の、スーツの似合う女性だった。

 

 私よりずいぶん年上なことを気にかけていて、たびたび年齢を気にする発言はありながらも、それでもメールで感じていた聡明さはお喋りにもあらわれていた。

 軽く挨拶をして、遅れた理由につい笑って、すぐに打ち解けることができた。喫茶店から移動して、どこか別の店でご飯を食べるという案もあったけれど、わざわざ探すのが面倒だなと思ってしまって、そのまま同じ店でランチセットを頼んだ。

 コーンポタージュを飲んで、サラダに手をつけ、メインのハンバーグやエビフライを食べながらご飯にも箸をやる。そうして同じメニューを食べながら、ひたすら喋っていた。

 お姉さんは早々に食べ終わってしまい、それでも急かされることはなかったから、喋るペースはそのままにセットを片付けた。半分ほど残っている時点で、もう皿の上の料理は冷め切っていた。それぐらい、話題に事欠かなかった。

 

 私のオススメの本の話、お姉さんの仕事の話、お互いのペットの話、お姉さんの同居人の話、私の恋愛経験の話。

 大体はお姉さんの同居人の話に費やされて、私は新しい話題が出る度に涙が出るほど笑った。どこかちぐはぐで、それでもお互いに欠けてはならない存在なのだなあというのが伝わってきて、素敵だなあと思うと共に、羨ましいなと思った。

 

 やっとのことでご飯を食べおえ、冷めかけたミルクティーを飲み干し、店を後にした。帰りはお姉さんの車を私が運転して、自分の家まで帰った。人を乗せているときは自分で運転したくないらしい。

 家について、ありがとうございましたと挨拶をして、去って行く車を見送る。不思議と、寂しいと思うことはなかった。ただ、また会えば話が尽きないだろうなということだけははっきりと分かっていた。

 

 金曜日が充実しすぎていて、翌日を日曜日と勘違いする程度には楽しかった。

 今度会うときは、お姉さんに貸した本達について、たくさん話をするつもりでいる。いつになるかは分からないけれど、それでも楽しみができたのを心のどこかで喜んでいる自分がいた。