えぬのざっかん

アラサーレズビアンの雑感/週末に更新する日記みたいなもの

ごじゅうはちこめ

 昔からオカルトものが好きだ。妖怪が出てくるものだったり、幽霊が出てくるものだったりを好き好んで手に取った。

 きっかけが何だったかは覚えていないけれど、小学生の頃通っていた散髪屋さんにおいてあったGS美神の影響は間違いなくあるだろう。

 通っていた高校の図書館には寄贈品らしいライトノベルティーンズノベルがあって、そこでホラー系統の小説に初めて触れた。小野不由美の悪霊シリーズや、甲田学人のMissingシリーズはずいぶんとハマって読んでいた覚えがある。

 そんなこんなで、偏った知識ながら楽しんでいたオカルト系統のものを、きちんと触れ直す機会に出会った。

 

 驚異と怪異、と名づけられた展覧会を観に行ってきた。電車の吊り広告で知ってから、ずっと楽しみにしていたのを、この週末にようやく観に行くことができた。

 感染症対策で、ネットからチケットを買う場合は予約制になっていたので、適当な時間に予約を入れた。

 駅から少し離れたところにある博物館は、初めて足を運ぶ場所だった。緑に囲まれた中にある建物に、どことなく上野の博物館に近いものを感じて懐かしく思った。

 私が博物館に興味を持ったのは、上野の科学博物館での特別展がきっかけだった。関東に住んでいた頃に、もう少し通っておけばよかったなどと、少し後悔している。

 

 規模も値段も違うし、このご時世だからか、館内は閑散としていたけれど、展覧会のスペースへと足を運ぶと、前の人が説明を読み終わるのを待たなければいけない程度には、人が集まっていた。お子様連れの家族も何組かいたけれど、子供が怖がっていないのが少し不思議だった。妖怪ウォッチなどで身近になっているんだろうか。

 入口の前書きのようなものを読んだ時点で、ここに来たのは当たりだったとしみじみ噛みしめたし、マスクの下で顔が緩んだ。

 展示品たちはどれもが想像上の生物で、どことなくおどろおどろしさがある。世界のあちこちで同じような言い伝えがあって、けれど人魚一つとってもデザインが違う。日本でよく見かける美女の人魚なんてほとんど見当たらなくて笑いそうになった。

 九尾の狐に龍、マンドラゴラ、ケツァルコアトルツチノコにアマビエまで、知っている名前や知識が繋がると、これこそが知の喜びだなあと昂ぶりさえ覚えた。フィロソフィー、少し綴りは違ったけれど、知の探求や喜びに関して入り口で少し触れられていたのが思い出された。

 

 会期の前半と後半で展示物が少し変わるらしいと書いてあって、後半も行けたらいいなと思っている。

 その頃には夏真っ盛りで、駅から歩いて行くには辛い季節になっているだろう。