えぬのざっかん

アラサーレズビアンの雑感/週末に更新する日記みたいなもの

よんじゅういっこめ

 鬼束ちひろのベストアルバムを買った。それも、完全生産限定盤を。

 昔からはっきりと好きだったわけではなくて、割と最近になって聞くようになった彼女の歌は、私にとても合ったらしかった。

 少し前、NHKのSONGSに出演していたので、録画して見たのだけれど、そこで歌っていた新曲がとてもよくて、泣きそうになって、ああ、このアルバムは買わなきゃなあと思ったのだった。

 

 昔からよく変わり者だと言われた。そのままでいいよなんて言ってくれる人なんてそうそういなかったから、ずいぶんと悩んだ。周りに合わせるのがとても苦痛だった。それは私のわがままもあるけれど、とても馴染めなかった。

 中学生の頃に知り合ったスクールカウンセラーの先生に、色々と話を聞いてもらって、それで何とかしていたところもあった。

 高校生になって、自分の性的指向をはっきりと認識してからは、しょうがないと割り切って生きるようになった。研究論文のテーマを同性愛にしたのも、それがきっかけだった。担当の先生が、そのあたりの知識に明るかったから、とても相談しやすくて、たしか私が同性愛者なんだと一番最初に打ち明けたのはその先生だったと思う。

 論文は結果、校内で優秀賞を頂いた。私が文章を書き慣れていたのと、クロス集計というものを利用して、きちんと分析らしきものをしていたのが理由だと思う。研究方法に関しては先生に頼りっきりだったので、今でも感謝しかない。

 

 まっとうに生きてないなあという自覚はやっぱりあって、これからも後ろめたさを抱きつつ生きるんだろうなあと思っている。けれど、そのままでいいよと歌ってくれる曲があれば、それだけでこれからの支えになるとひしひしと感じた。

 テレビで聞いたあの曲は生歌だったから、CDに収録されていたものとは趣が違っていた。やっぱり一番最初に聞いた方が好きだなと思いながら、数回聞いただけで覚えてしまったイントロにぎゅうっと心を掴まれている。